犬があくびをする原因は何でしょうか?
私たちがあくびをするのは、大抵疲れているときや眠いときですよね。
この常識から、犬も眠いときにあくびをするのではないかと考える人も多いでしょう。
しかし、その理由はそれだけにとどまりません。
この記事では犬があくびをする理由や、それに関連する犬の心理について深く探ります。
犬があくびをする主な理由
犬があくびをする主な理由は、以下のように4つ考えられます。
眠気や疲れ
犬は人間と同じように、眠気や疲れを感じるとあくびをします。
ご存知のように犬は活動的な動物ですので、日中の散歩や遊びによって体力を消耗します。
その結果、疲れがたまることが多いので自然とあくびをすることが多くなります。
脳への酸素供給
あくびが脳への酸素供給や、血行の促進に関連しているという見解も存在します。
あくびをする際に口を広げて深く息を吸うことで、より多くの酸素を取り込むと考えられています。
取り込んだ酸素は、血液を通じて脳へと運ばれ、脳の活動をサポートしてくれます。
特に、身体が活動を終えた後や、目を覚ました時など脳が酸素を必要とする瞬間に、あくびの頻度が増えることが知られています。
緊張やストレスのサイン
犬は緊張する場面であくびをすることがあります。
これは「カーミングシグナル」として知られています。
カーミングシグナルは、犬がストレスや緊張を感じるときに出す非言語的なコミュニケーションの一つです。
犬があくびをすることで、自分自身を落ち着かせるとともに「私は攻撃的ではない」というメッセージを伝えていると考えられています。
このようなあくびは、他の犬に遭遇したとき、知らない人にあったときなど、不安や緊張を感じている場面でよく観察されます。
あくびの伝染
飼い主があくびをすると、その犬もあくびをすることが時々観察されます。
この現象は「あくびの伝染」として知られています。
私たち人間同士の間でも、ある人があくびをすると、周りの人もあくびをすることがよくありますよね。
この飼い主と犬の間でのあくびの伝染は、二者間の深い絆や共感の表れとも考えられます。
飼い主があくびをすることで、犬もリラックスすることができ、飼い主と犬の間の信頼関係をさらに深める要因となるといわれています。
こんなあくびには要注意
犬があくびをするのは、上述したような一般的な理由だけでなく、体調不良や病気のサインとして行われることもあります。
特に、食欲不振や元気がない、排泄の異常など、他の症状と合わせてあくびが多い場合は、以下のような健康上の問題を疑う必要があります。
口腔内に問題を抱えている
犬が頻繁にあくびをする場合、それは口腔内の痛みや不快感を和らげるための行動である可能性があります。
たとえば歯石が溜まっていたり歯肉炎になっているときは、歯や歯茎の痛みを引き起こすことがあり、その痛みを軽減するためにあくびをすることが考えられます。
また、口内炎や口腔内の腫瘍なども犬のあくびの原因となることがあります。
あくびの様子がぎこちなかったり、口を開けずらそうにしていないかをチェックしてあげてください。
定期的な口腔内のチェックをしてあげることで、これらの問題を予防することができます。
貧血を起こしている
貧血は赤血球の数や機能が低下し、体内の酸素供給が不足している状態を指します。
犬が貧血を起こしている場合、酸素を多く取り込もうとして頻繁にあくびをすることがあります。
貧血のサインとしては、粘膜の蒼白、元気がない、食欲不振などが挙げられますので舌や歯茎が白っぽくなっていないか、ぐったりとしていないかなどを気を付けてみてあげてください。
低血糖状態にある
低血糖は、血中の糖分が不足している状態を指します。
犬が心疾患や呼吸器疾患を発症している場合、体内での酸素供給が不足し、低酸素状態になりやすくなります。
この低酸素状態は、犬の体内でのエネルギー代謝を乱し、低血糖を引き起こす可能性が高まります。
特に、犬がチアノーゼ(皮膚や粘膜が青紫色になる現象)を示す場合、これは酸素不足の明確なサインとなります。
チアノーゼは、心疾患や呼吸器疾患の進行を示す重要な指標となるため、愛犬の口の中(舌・歯茎)などが紫色になっていないか確認してあげてください。
まとめ
犬のあくびは、単なる眠気のサインだけではなく、さまざまな理由や背後にある心理を示唆するものです。
多くの場合、カーミングシグナルのように無害なものですが、時には健康上の問題を示すこともあります。
飼い主としては、犬のあくびやその他の行動を注意深く観察し、犬の健康や気持ちを常に気にかけることが大切です。
何か異変を感じた場合や犬の生活環境に変化があったときは、日常のケアを見直すことを考慮し、必要に応じて獣医師の診察を受けることをおすすめします。
犬のストレスや不調を早期に察知し、適切な対応をとることで愛犬との生活を末永く送れるようにしましょう。
この記事を書いた人
わんずっと編集部|りゅうパパ・きよママ